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2019.05.14
負動産の上手な処分の仕方?
おはようございます。死後事務支援協会代表の谷です。梅雨前ですがなにやら梅雨の雰囲気をひしひしと感じる名古屋です。洗濯物が乾きません。(泣)
さてさて、先日毎月恒例の民法の勉強会へと参加してきた際の話しです。テーマーは遺言書に関する遺留分の取り扱いで、民法の改正で大きく変わる部分でもあります。ただ、そうしたテーマーとは別にいろいろと脱線しながらそれぞれの先生方の過去の取り扱った事件の詳細を聞けるのがこの勉強会の醍醐味であり、私もいつも参考にさせて頂いているところです。
その脱線話しの中で「負動産」の上手な処分の仕方という話題が出てきました。「負動産」とは本来財産である「不動産」が僻地や郊外などにあり、相続しても活用できなかったり、売りたくても売れない、ただただ、税金だけを発生させる財産の不動産が転じて負動産と昨今では呼ばれるようになってきています。
そうした負動産は相続の際にも問題になるが、何か良い方法がないか?という話しになった際に、勉強会に参加されている行政書士であり、山岳会の重鎮でもある方が過去の事例を紹介してくださいました。
その相続では山林が相続の対象となっており、場所的には負動産となってしまう土地とのことです。あるとき相続人の方からこの負動産をどうしたものかと相談を受けたとのことです。相続人としては、管理もできない税金しか生まない負動産をどうにか処分できないかと悩んでいたのですが、その解決方法として「日本山岳会」へ寄付するという方法がとられました。
それの何がいい方法なの?と思われるかもしれません。実は不動産を寄付するといっても税金の問題が発生して、本来ならいくから寄付といっても税金の負担を考えるなら寄付すら受け付けたくないというのが実情のはずです。
しかし、日本山岳会は公益社団法人であり、税金は免除されています。つまり、負動産の処分で困っている相続人も山岳会側も税金の面では困ることがないため、相続人は晴れて問題の不動産の管理から外れることができたというわけです。
もちろん、こうした状況は相続の対象の不動産が山岳会の近隣の土地であったことが一番大きく影響していますので、なんでもかんでも寄付できるというものではありません。ただ、今後増えていくと予想される負動産の管理、処分を考えた上で公益社団法人や宗教法人など税金が免除されている団体に相談を持っていくのは有効な方法のひとつと思われます。
どこでどんな知識に触れるかわからないのが勉強会の楽しみですね。
今回は死後事務とはちょっと離れた話しかもしれませんが、不動産トラブルは相続でも大きなウエイトを占めることになりますので、こうした方法の検討は必要かと思いご紹介させていただきました。