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2023.09.20

死亡届人の名前が違う?!

おはようございます。名古屋の死後事務支援協会代表の谷です。9月に入っても残暑が続いていますが、この暑さも今週末あたりでひと段落つきそうな様子ですね。もうひと頑張りしましょう!

さてさて、今回は死亡届の際にあったお話しです。

具体的には、遠方にお住まいのご家族の代わりに死亡後に必要な役場等への届け出を代行していた際の出来事なのですが、そこで滅多に遭遇しない出来事が発生しました。

死亡後に必要な届け出として、死亡届をはじめとして健康保険や介護保険等の資格喪失手続きが必要となります。また自治体によって金額等は変わりますが申請をすれば葬祭費(名古屋の場合は5万円)などの扶助を受けることも可能ですので、こうした届け出は忘れずに行う必要があります。

ただ、遠方にお住まいのご家族の場合は葬儀や遺品整理、金融機関の確認など慣れない地域で土地勘もなく右往左往してしまうことも珍しくはありませんので、そうした部分を当協会がサポートを行っております。

そうした遠方にお住まいのご家族からの依頼に基づいて、故人の死亡後の手続きを代行していた際の話しなのですが、これらの届け出については、一般的には「死亡診断書(死体検案書)」があれば可能です。

ただ、当協会のように死後事務に続いて相続手続きをも代行して行うケースでは故人の相続人調査の一環として故人の出生~死亡までの戸籍が必要になりますので、故人の除票や死亡の記載のある戸籍を取り寄せてから各種届出に入ることもあります。

今回のケースでは、故人が孤独死(孤立死)の状態で発見されたという経緯があった為、警察の方で事前に戸籍調査が行われており、故人の本籍地がお住まいの名古屋にあることが分かっておりました。

ですので、各種届出の前に死亡の記載のある戸籍も発行してもらおうと役場へ赴いたのですが、1時間経っても呼ばれない。係員の方に「まだ掛かりますか?」とたずねても現在確認中ですとの返事だけで一向に進む気配がありません。

待っている時間ももったいないですので、同じ役場でできる申請手続きを先に進めてしまおうと各窓口を廻って、健康保険の資格喪失手続きや敬老手帳や敬老パスの返還手続きを進めていきました。

同じ役場でできる手続きを全て終えて戻ってくると呼び出し番号が表示されていましたので、やっと発行されたかと窓口へ行ったのですが、結果としては発行できないという回答。

理由を確認すると、「死亡届に記載のある届け出人の名前と今回お持ち頂いた委任状との名前が違う」というものです。

当協会が持参した戸籍発行の代理請求に必要な委任状は、依頼者本人の直筆ですので間違いがある訳はなく、問題は死亡届に記載されていた届け出人の名前です。

例えば、名前の一字が「緑」と「縁」のようによく似た感じという物があると思うのですが、今回のケースでは読み方も同じだけれど、偏が違っているという理由でした。

故人の戸籍(除籍)には死亡届を誰が届け出を行ったかが記載されるため、届け出が間違っているとなると役場としても放置しておく訳にはいかず、訂正の届け出をしてくださいということになります。

ですので、届け出人の訂正が終わらない限り故人の死亡の記載のある戸籍の発行は受けれないことになってしまったのです。

しかし、幸いと言っていいのか相続人の方から依頼を受けたその足で役場で手続きをしていたため、間違いが発覚したのも依頼者の相続人と別れてすぐのことでしたので、慌てて相続人の方へと電話連絡を入れて役場への動向をお願いいたしました。

相続人の方も快く応じてくださって訂正の届け出もすぐに終わり、戸籍の発行自体は訂正の手続きをしてからとなるため後日の発行ということには変わりありませんが、最短での発行に漕ぎつけることができました。

行政機関への届け出は戸籍に拘る必要はありませんが、金融機関での手続きではどうしても戸籍が必要となってきますので、戸籍が揃わないと何も始められないといっても過言ではありません。

特に故人と相続人の関係が兄弟姉妹のような関係ですと銀行での残高証明を取るだけでも、「故人の出生~死亡までの戸籍」と「故人の両親の出生~死亡までの戸籍」の両方(本人と父方、母方の3人分)が必要となりますので、故人の子供が相続手続きをする倍以上の時間が掛かってしまうので、戸籍の調査はすぐに取り掛かる必要があります。

今回の原因について、役場の担当者の方は葬儀業者が届け出人の名前を書き間違えたのではないかとおっしゃっていましたが、葬儀業者の方に確認したところ、間違えてはおらず、役場の方が間違えたのではないかと言われ、全く正反対の主張となっていました。

死亡届は役場に保管されていますので、相続人が申請すればどちらが間違えていたかははっきりできるのですが、相続人としては名古屋にいる間に訂正もできているし、誰かの責任を問うようなこともしたくはないとのことで、平穏無事?に終えることとなりました。

手続きを担当していた私としても、滅多にあることではないですので「え?」となったのは正直なところではありますが貴重な体験をさせてもらったと思っています。

相続放棄案件で期限が迫っている時にこんな事態に遭遇したらと思うとゾッとしますけどね(汗)

遠方にお住まいだった故人の死後事務でお悩みの際は名古屋の死後事務支援協会までご相談くださいね。

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