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2023.11.03

高齢者泣かせの故人のカード解約手続き

おはようございます。名古屋の死後事務支援協会代表の谷です。この仕事をしているとカレンダー上の休日は銀行や役場が閉まっていて業務が進まないなと思うだけで、カレンダー上の祝日が嬉しくない事も多々あったりします。(笑)
絶好の行楽日和ですのでお楽しみくださいね。

さてさて、本日は死後事務の手続きでもよく関わることのあるクレジットカードの解約のお話しです。

死後事務のご依頼では、遺言書の内容と併せて故人の債権債務を整理する内容が盛り込まれていることが多いかと思われます。

債権債務の整理というと難しく聞こえるかもしれませんが、要は貰えるお金は貰って、光熱費や治療費などの支払うべきものは支払うということですね。

そうした業務の一環としてよくあるのがクレジットカードの解約手続きです。今回は死後事務委任契約でのご依頼ではなく、遠方に住む相続人の依頼で故人のクレジットカードの解約を行った際の話しを少し紹介しておきたいと思います。

今回のご依頼では銀行系のクレジットカードと携帯電話系のクレジットカードの2種類が対象となっていました。クレジットカード会社に連絡すると相続人本人から連絡させるように言われたり、本人同席の上で電話をして欲しいと言われることも多々あります。(携帯電話なんかでもよくある対応ですね)

ただ、そうは言っても相続人が遠方に住んでいる場合は同席は難しいですし、相続人が高齢者のような場合はそもそもそうした電話連絡での対応が難しいのでこちらに依頼があるわけで、はいわかりました。相続人本人から連絡させますとは言えません。

そもそも今回こちらにご相談頂いた経緯が、カード会社に連絡が取れないことが発端であったりします。最近はカード会社に限らず、電話のオペレーター要員を減らすため自動音声や企業のHP上での手続きを進めるアナウンスがまず流れて、希望する内容に沿って番号をプッシュしていく流れになっており、なかなか担当者と直接話すことができませんよね。

それでも、番号押していき、オペレーターに繋がれば問題ないのですが、中には希望する問い合わせに応じて、「契約者番号」「登録している電話番号」「登録ID」「パスワード」などを入力するように言われるケースがあります。

しかし、死後事務などの相続手続きを行っている場合は故人の電話番号くらしかわからないケースも多く、故人が契約書類を残していなかったり、パスワードなどをメモしていないような場合はこうした情報は相続人には一切わからなく、高齢の相続人の場合は、この段階で電話での手続きが止まってしまう事も多くあります。

実際には案内を最後まで聞けばオペレーターへ繋がる番号の案内が流れたりもするのですが、全部のアナウンスを聞かずに希望する内容の番号を押して先へ先へと進めてしまうと、こうした故人しか知らないような情報の入力を求められて手詰まりになってしまうケースが発生します。

それでも、根気強く確認していればオペレータに繋がるのでしたらまだましな方で、今回はもっと最悪なケース。そもそも電話がつながらないというケースでした。

銀行系のクレジットカードはこちらで手続きをしたら多少の問答はありましたが、比較的すんなりと終えることができました。

しかし、携帯電話系のカードの方はもう最悪の一言でしたね。携帯電話を契約する際に各キャリアで買い物や支払いをするとポイントが貯まってお得!という感じでクレジットカード付のカードの作成を進められる事があると思います。

テレビなんかでもよく宣伝されてポイント2倍や〇〇%の還元等で、「キャリア携帯使用しているのにカードを作っていないなんてもったいない!」みたいな感じで綺麗な女優と一緒にコミカルな人形が動いてたりしますが、ああしたカードの事です。

実際にポイント還元などをしっかりと活用できるのでしたらお得なカードにもなるのでしょうが、死後事務の一環として解約しようと考えた場合は、まぁー面倒で面倒で仕方がないといった感じです。

実際にはカードの解約自体はカード発行もとである携帯キャリアのホームページ上に記載されている連絡先に電話連絡で問題なく行えました。

しかし、解約と併せて実際にカードの引き落としが何の利用料であるのかを確認をしようとしたところ、「こちらは解約窓口であって、利用料の詳細は別の窓口になるのでそちらに問い合わせてもらいたい」と言われてしまいました。

一般的なカード会社の場合は、解約を受け付ける場合には解約に先立って、新たなカードでの引き落としが掛かっていないかを確認して、もし引き落としが掛かりそうな内容がある場合はそちらを先に解約してくださいといった案内があるのですが、携帯会社系のカードの場合は違うのか?と不思議に思った訳です。

ひとまず、担当の窓口の連絡先を聞き、士業の習いか電話番号から会社名を確認してみると「〇〇債権回収会社」と出てくるではないですか。

私自身は遺品整理も良く行いますので、この会社の名前は良く知っています。主に多重債務者であった方が孤独死や自殺したような部屋に良く届いている封筒に記載されている会社名で、債権回収会社とは、端的に言えば消費者金融等からお金を借りていた人に対して直接取り立てることができる会社です。

法務省の認可を受けて営業している債権回収会社であれば違法な取り立てなどはされませんので、悪質な違法業者というわけではありませんが、借金で首が回らなくなった末の孤独死や自殺現場を多数見てきた身としては良いイメージは無いですよね。

別段今回の依頼対象となっている故人も支払いを延滞している訳ではありませんので、債権回収会社のお世話になるような事はないのですが、窓口がそこに指定されているとなると電話を掛けるしかありません。

しかし、いざ電話をしてみるとまず案内された電話番号がナビダイヤル(0570番号)で高額な電話料金がこちらもちとなり、そこからプッシュ番号で希望の問い合わせ内容を押していく仕様です。

そしていざオペレータへー繋がるはずの番号を押しても「ただいま大変電話が込み合っております。後ほどおかけ直しください」の案内のあと呼び出し保留の時間もなく強制的に電話が切られます。

ナビダイヤルのため、待ち時間も電話料金が発生しますので、高額な電話料金が発生しないように敢えて呼び出し保留の状態にせずに強制的に切っているとも考えられますが、これではタイミングよくオペレーターが空いている時に掛けなければ電話が繋がらないことになります。

本当に馬鹿げた方法を採用しているとしか思えません。債権回収会社なのですから延滞者等からの連絡を受けて支払いを促すのが本筋と思うのですが、これでは延滞者からの連絡を自分達から断っているようにしか思えないような状況です。

結局その日は夕方から先方の営業終了間際まで電話をかけ続けていましたが一度も繋がらず電話代だけがかさむ結果となり、本当に腹正しいの一言ですね。

仕方なく次の日も何度もかけ続けてようやくオペレーターと話すことができたのですが、日頃から延滞者の対応ばかりしているからか非常に態度がふてぶてしい感じでこちらも印象最悪です。

あげく、委任状での対応を求めたら、相続人本人同席での連絡か、相続人本人からの直接連絡のふたつの方法しかないと言い出す始末。

再度、相続人からの委任状や印鑑証明の提出もできることを説明したら、裏で上役に確認したのか「それでは公正証書での委任状をFAXしてください」などと訳の分からないことを言い出して、もう頭が痛い、、、、。

委任状をひとつひとつを公正証書にしているわけないやろ、、、、ナビダイヤルで高額な電話料金が発生しているなかでこうした無駄なやり取りをされると、もう悪意でやってるのではと思いたくなりますよね。

改めて、委任状について説明してやっとのことで、手続きを進めることができましたが、本当に無駄な時間でした。携帯系のカード会社の解約は今回が初めてでしたので、全てのキャリアがこうではないと思いますが、ここまで利用者にとって悪意全開のシステムを採用しているところは他にはないことを祈るばかりです。

こう考えてみると、これまで解約手続きをしてきた有名所のクレジットカードの会社の対応は素晴らしかったですね。オペレータの方は内容をよく理解してくださいますし、故人の利用中のサービスがあれば一覧図をFAXしてくれたり、新たな引き落としが掛かったら逐一電話連絡をくれたりと、非常に親切な対応をしてくださっていたのだと改めて思います。。

今回のブログは少々愚痴が多めになってしまいましたが、生前には便利なカードであっても死後の手続きはこんなにも面倒になるという一面の紹介でした。

もちろん、私が経験した内容がたまたまそうだった、ということであり、どこの会社もこうした面倒な仕様になっている訳ではないことは申し添えておきますね。

東海地区の相続、死後事務に関するご相談は名古屋の死後事務支援協会までどうぞ~。

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