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2020.12.30
来年も良き年になることを願って
おはようございます。名古屋の死後事務支援協会代表の谷です。
あっという間に年末になりましたね。毎年恒例の今年の漢字は「密」になったみたいですが、私は絶対に感染の「染」になると思っていただけに、世間との考えのギャップに愕然としました。「染」はランキングにも入っていなかったような、、、、。
ともあれ、今年はなんとか自分や周りの人にコロナに罹った人はおらずほっと胸をなでおろしているところではあります。しかしながら感染者自体は依然として増加しているわけであり、医療従事者の方々には頭の下がる思いです。本当にありがとうございます。
医療従事者の方々への負担を減らす一番の方法は、まずは自分がコロナに罹らないことですよね。自分がコロナに罹らなければ、当然他の人へ感染を広げることもありません。そうすることで結果的にコロナ患者が減っていくことで医療従事者の方々への負担も減らせることになります。
年末年始でお酒も入り気が緩むのも仕方のないことではありますが、今一度自分の身の回りから感染対策を徹底していきましょうね。
さてさて、今年も残すところ後わずかとなりました。今年は元旦の早朝から死後事務のご依頼を頂いている方が危ないという連絡を入所されている施設より頂き、夕方に様子を確認にいった後の夜間にお亡くなりになりました。
正月ということもあり、火葬場の手配など心配しましたが、葬儀業者さんの手助けもあり無事お送りすることができました。
また、その方の死後事務が大方片付いた頃には別の死後事務をご依頼頂いている方との連絡が取れなくなり、安否確認で様子を確認しに伺ってみると回覧板が複数溜まっているなど不審な点があったことから、急遽消防や警察へと連絡して室内を確認してもらったところご遺体を発見することになりました。
心臓の持病を心配されて死後事務に関するご依頼を頂いてはいましたが、まだまだ60代というお若い方でもありましたので、残念でなりません。
依頼者の方とはよく喫茶店でコーヒを飲みながら世間話や仕事に関しての話しをお互いにするなどとても良くして頂いていたので、その方のご自宅の近くを通る度につい癖でお茶でも誘ってみようかという思いが今でも沸いてきます。
私が遺体を発見する端緒とはなりましたが、実際にご遺体を発見したのは消防の方でもあるので形式的には「孤立死」という形になります。ですので、その後に事件性の確認などで鑑識の方がご自宅を調査しご遺体は警察にてまず回収されていきました。
ご遺体発見時に死後事務受任者であることを伝えてはありましが、警察としてもまずはご家族や親族へと確認した上でないと遺体を死後事務受任者に引渡しができないということで、ご遺体の発見から2週間ほど経ってからではありますが無事、事前にご指定頂いていました葬儀業者にて葬儀をあげてご遺骨は菩提寺へと納めることができました。
今年はお二人の方の死後事務ならびに遺言を執行することとなりましたが、新規の方との死後事務委任契約もありました。
コロナ禍でステイホームが叫ばれる中、高齢者に限らず持病を持った方々が家に引きこもっていたとしても「感染対策」と思われて異常に気付かれにくいということも起きています。
そうした結果、天涯孤独の方や親族と疎遠になっていたりと「死後事務委任」を必要とされているような方は、自分で積極的に外出したり、SNS等で発信したりしないと「自分は大丈夫です!」ということを周りに知ってもらう方法がありません。
ただ、高齢者の方は体調だったり、SNSの使い方がわからなかったりと、誰でも気軽にとはいきませんよね。
ですので、私たちのような国家資格を有する士業が「成年後見」や「見守り契約」、「死後事務委任契約」といった制度を使用しつつ積極的に安否確認を行ったり、不安や困り事への相談に応じることには大きな意義があると考えています。
「もし自分に万が一のことがあったら、いったい誰が自分の葬儀や納骨をしてくれるのだろうか?」という、これまでは漠然としか考えてこなかった事柄がコロナ禍において現実的な身近な問題として認識されてきています。
「自分にもしもの事があったらどうなるの?」という疑問に対しての答えは、その方の生活状況や家族構成、そしてなにより、ご自身としては「どうありたいのか」という考え方によって千差万別となります。
ここで挙げている「死後事務委任契約」もそうした疑問に対する答えのひとつでしかありません。場合によっては、遺言や家族信託なども併せて考える必要があったり、生前に税務対策などを考えておかないと相続人への負担が大きくなってしまうという方も見えられるでしょう。
今年のまとめとして思うところは、死後事務委任契約を結ばれていた方は手続きが非常にスムーズであり、やはり生前にどれだけ準備していたかで、家族や遺族へ掛かる負担を大きく減らすことができるようになるということです。
特に自分の死後の手続き(葬儀や納骨、遺品整理など)を疎遠な親族が行うと予想されるようなケースでは重要となります。
こうした疎遠な関係の場合は、自分にもしもの事があったとしても、本来葬儀などの死後の手続きをするはずだった親族が「相続放棄」をしてしまうことも考えられます。
実際に遺品整理の相談を受けている中でも「疎遠な叔父(叔母)が亡くなったのですが、遺品整理は私たちがやらないといけないのでしょうか?」というご相談を良く頂きます。
同じような相談でも「何十年もあってないので関わり合いたくない」「なんとかしてあげたいが先立つものがない」「賃貸物件で亡くなったので、大家さんから賠償請求が怖い」と抱えている事情は様々です。
いずれにしても、こうした疎遠な親族の場合はある日突然警察や役所より「○○さんが亡くなったので遺体の引取りをお願いします」と突然連絡が入ることとなりますので、まさに寝耳に水状態となり大変混乱することとなります。
こうした状況での相談者の中には「なんで私がこんな苦労をしないといけないのでしょうか!(怒))」と、憤懣やるかたないといった様子の方もいらっしゃいます。
そうした場合は専門家としては「相続放棄」という手段について説明することになりますが、親族が相続放棄をしてしまうと、今度は病院や施設、賃貸物件の大家さんなどが、未払いの医療費や施設利用料、未納家賃や遺品整理などで誰も支払いや片付けをしてくれないと困ることとなってしまいます。
こうした問題を解決する方法のひとつが「遺言」だったり「死後事務委任」であります。たとえ親しい家族がいなかったとしても、信頼できる第三者に事前に依頼しておくことで、自分の希望する通りに葬儀や納骨(散骨)を行い、その他の遺品整理や未払いの医療費や家賃などの支払いも専門家に依頼しておくことが可能となります。
そうすることで、仲の良い家族では死後の手続きで掛かる負担を減らすこともできますし、疎遠な親族しかいない場合は、一切の手続きを専門家に任せてしまい疎遠だった親族には迷惑を掛けないように準備しておくことができます。
こうした事前の準備はなかなか自分だけでは考えがまとまらないものですので、気になることがあればいつでもご相談ください。
死後事務支援協会は令和三年も死後事務や短期身元保証を中心として、おひとり暮らしの高齢者のサポートを頑張ってまいります。
最後となりましたが、今年一年誠にありごとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 死後事務支援協会 代表理事 谷 茂