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2024.07.23

遺言・死後事務・任意後見の3点セットで契約する際の注意点

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おはようございます。名古屋の死後事務支援協会代表の谷です。名古屋も梅雨明けとなり天気予報は連日の猛暑予定となっております。熱中症予防には水分補給の他、適切な睡眠も大事となってきます。

エアコンを就寝から1~2時間で切れるようにタイマーセットしていると、夜中に暑さで頻繁に起きてしまい適切な睡眠時間を確保できないケースもあるとか。電気代も心配なところではありますが、日中に熱中症にならない為にも睡眠時も適切にエアコンを利用していきましょうね。

さて、前回のブログでは死後事務委任契約と任意後見契約をセットで契約しないといけないのか?について契約の必要性やメリット・デメリットについてお話させて頂きました。

今回はより、具体的にセット契約した場合の注意点についてお話したいと思います。

身元保証会社等では、よく身元保証契約の際に「遺言書」「死後事務委任契約」「任意後見契約」の3点セットで契約を勧められることがあります。

遺言書はご存じの通り、依頼者の方の財産の行先を決めるものであり、死後事務委任契約は遺言書に記載できない事項(葬儀や納骨、遺品整理等)を実現させる契約であり、任意後見契約は委任者が認知症等で意思能力が失われてしまったような状況に備えて、信頼できる方へ自身の後見人なってもらう契約を予めしておくというものとなります。

任意後見はもちろん、遺言や死後事務委任契約についても自分の死後に実現したい内容を叶える為に実際に手続きをしてもらう人を決めておくことになります。(遺言執行者、死後事務受任者)※遺言執行者は任意

遺言執行者、死後事務受任者、任意後見人はいずれも自分の死後又は自分の意思能力が失われた際に備えて信頼できる第三者に手続きを依頼するという性質のものとなります。

ですので、手続きを依頼する相手方とは高い信頼関係があることが前提となる物ですが、必ずしもその信頼関係が永続的なものとは限りません。

遺言書は遺言者に相続が発生して初めて効果を発揮する物であり、遺言書を作成したらすぐに効果が発揮される物ではありません。

死後事務委任契約も同様に、委任者が死亡して初めて死後事務受任者は委任事務の執行に入る為、死後事務委任契約書作成から委任者の死亡までには相当な期間が空くことが多い契約となります。

任意後見契約も基本的には委任者が元気なうちに契約を結び万が一に備えるという性質のものであり、委任者が認知症等にならないままに亡くなる事も多く、契約したけれど任意後見契約の発効はしなかったということも珍しくはありません。

いずれの契約も契約から相当な期間が経過した後に効果を発揮する物となるため、委任者と執行者・受任者との信頼関係が長い待機期間の間に失われてしまうこともあります。

いずれの契約もお互いに高い信頼関係があるからこそ契約が成り立っているのであって、信頼関係が崩れてしまった後においては、遺言執行や死後事務、任意後見を任せる訳にはいかなくなります。

例えば、遺言執行者をAさん、死後事務受任者をBさん、任意後見人をCさんに依頼していたとします。

この場合に例えば死後事務受任者のBさんとの関係がギクシャクしてしまったとしても、死後事務受任者のBさんを変更する手続きをすれば済みます。

しかし、身元保証会社等で良くある3点セットのような場合は、遺言執行者、死後事務受任者、任意後見受任者のいずれも同一法人となっているケースも多く、上の例でいくと遺言執行者Aさん、死後事務受任者Aさん、任意後見受任者もAさんといった具合です。

この場合に例えばAさんとの信頼関係が崩れてしまい、Aさんとの死後事務委任を解約したいと思った場合に、死後事務委任だけの解約ができるのでしょうか?

契約を単独で解約できるかどうかは契約書の記載によるところもありますが、例え単独で契約を解約できるとしても果たして、単独で契約の解約をするのかという問題があります。

上でも述べた通り、遺言執行、死後事務執行、任意後見業務と、いずれも委任者との高い信頼関係があるからこそ任せているのであって、その人との信頼関係が無くなった以上、死後事務の執行者からは外れてもらうが、遺言執行や任意後見はそのまま続けてもらうとはならないでしょう。

信頼関係が失われて死後事務受任者から外れてもらうのでしたら、遺言執行や任意後見人からも外れてもらうことになるのが普通ですので、全ての契約を作り直す必要が出てきます。

自筆証書遺言、一般契約書での死後事務委任契約でしたら比較的修正もしやすいでしょうが、任意後見契約は公正証書での作成が必須でありますし、遺言書や死後事務委任契約も公正証書で作成されているとなると、全ての契約を公正証書で作り直すケースも出てきます。

ですので、3点セットのように全ての契約を同一法人で作成するような場合は、解約時に上記のような不利益があることも頭に入れた上で契約をする必要があります。

もし、企業側で対応しているようでしたら、ご自身の年齢や健康に合わせて、まずは遺言書と死後事務委任だけ契約しておき、認知機能に自信が無くなる年齢になったら改めて任意後見契約を後から結ぶという方法を採ることも検討しても良いと思います。(一旦は、死後事務受任者として関係を持ち、信頼できると感じたら任意後見を任せる)

遺言、死後事務、任意後見契約ともに一度に全てを契約しなければいけない物ではありません。ご自身のライフステージに合わせて作成を検討してみてくださいね。

死後事務のご相談は名古屋の死後事務支援協会までお気軽にお問合せくださいね~。

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