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2026.08.06

銀行の遺産整理サービスでは足りない理由——口座凍結後に遺族が困ること

大切な方を亡くされた後は、手続きの多さに途方に暮れる方が少なくありません。銀行に勧められた遺産整理サービスで預貯金や不動産の手続きが終わったのに、自宅に督促状や解約通知が届き始めた——そんな経験をされた方からのご相談が、近年増えています。

「口座凍結 相続手続き トラブル」で検索してこの記事にたどり着いた方は、まさにそうした状況にいるのかもしれません。なぜこうしたことが起きるのか、そして何をすれば解決できるのか、死後事務専門の行政書士として日々の相談から感じることをお伝えします。

銀行の遺産整理サービスが対応しない領域とは

銀行が提供する遺産整理サービスは、預貯金の払い戻しや不動産の名義変更など「財産の移転」を中心に設計されています。手続きを一括で代行してもらえる便利なサービスですが、故人が生前に結んでいたさまざまな「契約の整理」には、ほとんど関与しません。

クレジットカード、携帯電話、電気・ガス、サブスクリプションサービス——これらは故人名義のまま契約が続いています。金融機関に死亡の連絡が届いた時点で口座が凍結されるため、自動引き落としができなくなります。各社への連絡を誰もしなければ、遺族が気づかないうちに滞納扱いになってしまいます。

口座凍結後に起こる意外なトラブル

先日、相続人の方からこんな相談がありました。銀行の遺産整理サービスを利用して預貯金と不動産の手続きは終わった、それなのに家に大量の督促状と解約通知書が届いている、というものです。

届いていたのは、クレジットカード会社からの未払い通知、携帯電話会社からの強制解約予告、電気・ガス会社からの支払い督促でした。口座凍結は相続手続の「入口」であり、そこからが本当の意味での後片付けの始まりです。

各社への連絡には、死亡診断書のコピーや相続関係を証明する書類が必要です。複数の相続人がいる場合は代表者を決め、委任状の準備が求められることもあります。サービスの種類だけ、個別対応が必要になるわけです。

特に高齢の配偶者や遠方に住む子世代にとって、この対応を葬儀後の慌ただしい時期に同時並行で進めるのは、精神的にも体力的にも大きな負担です。

カード会社やサービス事業者の連絡先がわからない。通話料が高いナビダイヤルで掛けているにも関わらず、オペレーターに繋がらず長時間待たされる。いろんな部署をたらいまわしにされて解約手続きが進まない等々。

契約は簡単にできるのに、解約のハードルが高すぎるという不満を持たれている遺族の方は多いのではないでしょうか。

特に電話を掛けた際にAIが自動で内容を判別したり、問い合わせ内容に従って番号を順番にプッシュしていく方法などは、最後までオペレータに繋がらず自動音声だけで終わってしまったり、途中で答えられない質問がでてきて回答が止まってしまい、切断されてしまったりして非常にストレス(むしろ怒り!)が溜まるもので、こうした手続で遺族の心が折れてしまっているケースが非常に多くあります。

大切な方を亡くされている遺族の負担を減らすためにも、各事業者には、逝去連絡の際はスムーズにオペレーターに繋がり人と人との会話で解約手続が進められるようにしてもらいたいところですね。

デジタル遺品時代に増える「見えない手続き」

さらに近年、問題の複雑さを増しているのがデジタル遺品の存在です。

故人が契約していたネット通販、動画配信サービス、音楽アプリ、クラウドストレージ——こうしたデジタルサービスは解約しなければ毎月課金が続きます。クレジットカードが生きている間は請求も続き、死後何ヶ月も気づかれないケースも実際に起きています。

難しいのは、サービスごとに必要な書類や解約手順がまったく異なる点です。ある会社はオンラインで完結できても、別の会社は書類郵送が必要、また別の会社は専用の窓口対応が必要——一つひとつ個別対応が求められる構造そのものが、遺族の負担を増やしています。

「スマートフォンの中身がどうなっているのかわからない」という状態からスタートすることも珍しくなく、高齢の親族では自力での対応が困難なケースが増えています。

相続の専門機関に求められる本当の役割

財産の移転だけをゴールとしている限り、口座凍結後のトラブルは繰り返されます。相続の専門機関であれば、口座凍結によって何が起きるかを事前に説明し、各種契約の整理についても具体的な案内を行うべきです。

「預貯金と不動産の手続きは完了しました」という報告で終わるのではなく、「故人が生前に結んでいた契約を整理し、解約・名義変更をサポートします」という関与が、これからの専門家には求められます。

相続手続きは「財産をもらう手続き」ではなく、「故人の人生のすべてを整理する手続き」——その視点を持てるかどうかが、専門家の価値を分ける時代になっています。

死後事務支援協会にご相談ください

一人で抱え込まなくても大丈夫です。

死後事務支援協会では、相続発生後に必要となる手続き全般を、相続人に代わって行っています。預貯金・不動産の相続手続きはもちろん、クレジットカードや携帯電話の解約、公共料金の名義変更、デジタルサービスの整理まで、故人の人生のすべてを丁寧に整理します。

「どこに何を連絡すればいいのかわからない」「遠方に住んでいて窓口に行けない」「高齢の親族に代わって手続きをしてほしい」——そうしたお悩みに専門的に対応します。

まずはお気軽にご相談くださいね。

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ご好評につき「ゼロから学べる死後事務委任契約 実務ハンドブック」が重版となりました。重版にあたり、死亡届に関する記述を修正しました。これまで死後事務受任者ではできなかった死亡届について、「家屋管理人」の解釈拡大に伴う変更点について記載しております。

「ゼロから学べる死後事務委任契約 実務ハンドブック」重版出来
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