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2021.05.31
火葬後の遺骨を持ち帰らない(収骨しない)という選択
おはようございます。名古屋の死後事務支援協会の代表の谷です。
私の周りでもコロナのワクチン接収が始まっていますが、私の身近な方ではコロナに罹る人がいなかったのに、ワクチン接収が始まるのと機を同じくするように私の周りでもコロナに罹る人が増えてきています。
ワクチン接収という人類の反抗作成にコロナウイルスが徹底抗戦しているようで、まさに人類とウイルスの戦いみたくなってきていますね。
まずは自分がコロナに罹らないようにする。結果的にそれが感染の拡大を防ぐことに繋がりますますので、あと一息がんばりましょう!
さてさて、本日の話題は収骨についてです。
日本では基本的にご遺体は火葬されますので、当然火葬後に「焼骨」が残ります。焼骨を喉仏の説明などを聞きながら骨壺に収めるのが「収骨」(骨上げ)となり、これまではごく当たり前のように行われてきていました。
東日本と西日本では、「全収骨」か「部分収骨」かで地域によって、火葬後の焼骨を全て骨壺に収めるか、喉仏のように主要な骨だけを骨壺に収めるかで収骨の方法に違いがあります。
主に東日本では「全収骨」の地域が多く、西日本は「部分収骨」の地域が多いとされています。私が住んでいる名古屋なんかは「部分収骨」となります。
全収骨の場合は、骨壺に全ての焼骨を入れて遺族がお墓に埋葬したり、納骨堂などへ納めたり、最近では海や山への散骨なんて方法もあったりしますが、基本的には遺族がお骨の全てをどうするかを決めることになります。
しかし、部分収骨の地域では初めから一部のお骨は火葬場(斎場)にて処理することが前提となっていますので、遺族が持ち帰るお骨は全体の一部だけとなります。
では、遺族が持ち帰るお骨以外はどうなるの?というと、各自治体にて最終埋葬地にての供養に回されることになりますが、では最初から全ての遺骨を持ち帰らないという選択は可能なのでしょうか?
これに関しては各自治体の条例によって決められていますので、お住まいの地域によって収骨をしないといけない地域もあれば、最初から収骨をしないという選択ができる地域もあるということになります。
西日本はもともと部分収骨が多い地域ですので、収骨をせずに焼骨は全て火葬場(斎場)にて処理をしてもらうという方法も取りやすいということになります。
実際、今回私が死後事務委任契約にて担当させて頂いた依頼者の方も「収骨なし」を希望されており、そのように執り行ってきましたので、ちょっとだけ紹介しておこうかと思います。
私たちが死後事務委任契約を結ぶ際に特に重点的に確認するのが、「葬儀の方法」「遺骨の行方」「それらに掛ける費用」という部分です。
ここを曖昧にしておくと後々遺族が現れた場合にトラブルの元となりますので、私たちも依頼者の希望を確認しながら、予算や依頼者の希望などを確認していきます。
遺骨の扱いについても、「生前に建てておいたお墓へ入れる」「先祖代々の墓へいれる」「納骨堂へ入れる」「散骨する」等と、依頼者によって当然希望も変わってきますので、それに合せて契約書を作成するのですが、今回のご依頼者の方はそもそも「収骨をしない」という選択をされました。
お墓や納骨堂、散骨など今ではいろんな供養の方法がありますが、必ずしも遺骨をそうした場所へ納めて供養に回さなければいけないという訳ではありません。
無宗教の方で長期間に渡って供養することに疑問に感じている方、遺骨を残すことで管理の手間や親族への負担を心配される方、経済的な面からそうした手段を取り辛いという方など、以前まではお墓に入れるのが当然と思われてきたお骨の扱いも近年はだいぶ考え方が変わってきています。
そうした中、「収骨をしない」という選択肢も検討されてきているということですね。今回ご依頼頂いた方は親族が残っておらず、ご遺骨を残してもお墓参りに来られる方もおらず、また先祖代々のお墓というのもない状態で、今から自分のためだけのお墓や納骨堂を購入するという状況ではなかった方でもあります。
そうした場合でも、私たちがお付き合いのあるお寺などの合祀墓などへ入れるという提案もさせて頂くのですが、それもピンとこなかったのか、最終的なご依頼は「収骨なし」でのご依頼となりました。
私たちとしては、依頼者の方の生前の要望を契約書に記載されている通りに進めていくのが死後事務受任者の義務でもありますので、依頼者の方の希望がはっきりとしているのならそれに従うまでです。
では、実際に「収骨なし」とはどのように行うのかというと。まずは、利用する火葬場(斎場)が「収骨なし」に対応しているのかの確認をします。これは斎場を管理する役場の部署などに確認すれば教えてくれますので、電話などで簡単に確認できます。
次に費用が掛かるのかどうか。「収骨なし」に対応している火葬場でも、焼骨の処理に費用が掛かる地域と無料で行ってくれる地域とがありますので、念のため「収骨なし」ができるかどうかの確認と一緒に費用も確認しておくとよいでしょう。
実際の手続きについては、各自治体によって変わると思いますが、名古屋の八事斎場では葬儀を依頼する葬儀業者に事前に「収骨しない」旨を伝えておけば、後は葬儀業者の方が手続きを行ってくれました。
私も念の為、役場の担当部署へ「収骨なし」の可否、「費用」の有無、「事前の手続き」の方法などを電話で確認したのですが、その際は火葬前に火葬場にて事前に書類を提出するようにと言われました。
ただ、実際にはその書類も葬儀業者さんにて手配してくださっていたようで、私自身は火葬炉への立ち合いを行うだけで書類への記入等は行いませんでした。
後は、ご遺体を火葬した後に焼骨を「確認するかしないか」を決めておくと良いでしょう。名古屋の八事斎場では「収骨なし」を依頼することは可能で費用も掛かりません。
ですので、葬儀業者の方がご遺体を搬送し、正面玄関から火葬炉へと移動、最後のお見送りをした後は、その後の手続き(遺骨の処理)は全て火葬場(斎場)にお願いすることも可能です。
また、「収骨なし」を選択したとしても、火葬が終わった後に焼骨を確認することも可能ですので、火葬している間、待合室で通常の火葬と同じように待機して、焼骨を確認して、それから収骨はせずに、後の処理を火葬場に依頼するという流れも八事斎場では可能でした。
今回のご依頼者の方の火葬にあたり、斎場の方に「収骨なし」を選択される方は増えているのか?と聞いてみたところ、コロナの影響かはわかりませんが、「増えている」とのことでした。
月に「収骨なし」は何件くらいあるのか?と聞いてみたところ、だいたい2桁にいかないくらいということでした。火葬されるご遺体の数に比べればまだまだ少ない割合ですが、斎場の担当者の感覚ですと増えてきているという感想のようでしたね。
「ゼロ葬」などの言葉が注目されるあたり、死後事務委任を考える方以外の一般の方であっても、今後はこうした「収骨をしない」という方法を選ばれる方が増えてくるかもしれませんね。
死後事務支援協会では、ご家族の葬送支援として収骨をしないシンプルな葬儀プランを提携葬儀社の協力のもとご提供しています。
お墓や納骨堂などを用意せずに、シンプルな葬儀を執り行いたいという方はご利用ください。
死後事務支援協会のゼロ葬プラン
死後事務支援協会では、葬儀業者提携のもとゼロ葬プランをご用意しております。葬儀だけでなく行政手続きや相続人調査などもセットになっていますので、葬儀後の相続手続きをスムーズに開始したい方に最適なプランとなります。
ゼロ葬プラン | お墓不要のシンプルな葬儀 |
---|---|
内 容 | ・直葬 ・収骨なし(収骨も可) ・行政機関への届け出 ・葬祭費申請 ・相続人確定手続 (故人の出生~死亡までの戸籍収集) ・相続相談 |
費 用 | 253,000円 (税込み) 国民健康保険加入者は葬祭費から5万円の支給有り 葬祭費の代行請求はプランに含まれています。 ※ 孤独死案件等、警察でDNA鑑定を行っているご遺体の場合は別途「死体検案書」の発行手数料が実費で発生いたします。 |
対応エリア | 名古屋市及び名古屋市近郊 |
備 考 | 直葬は提携葬儀社の直葬プランとなります。 必要に応じて喪主の代行も行います。 名古屋市外でのご依頼の場合は交通費が別途発生いたします。 |
※ゼロ葬プランご利用希望の方は事前連絡をお願いいたします。
※行政機関への届け出は、死亡届の提出代行、14日以内に手続が必要な健康・介護保険・年金の受給停止等の死亡手続き及び必要書類の返却手続きとなります。
※県外などでご利用希望の方でもご相談に応じます。
死後事務委任契約をもっと詳しく知りたい!
2021.05.10
夫婦や兄妹で死後事務委任契約を結び、片方が存命の場合は死後事務を発効させない契約形態について
お久しぶりです。死後事務支援協会代表の谷です。コロナが依然として猛威を振るっておりなかなか前のようなノーマスクでの生活やみんなで楽しく会食といったことが難しい状況で今年のG・Wも終わりましたね。
海外に比べればまだマシともいえる日本の状況ではありますが、ワクチン接種までなんとか罹らない、うつさないように徹底した感染対策をしていきましょう。これは国や市町村の対策だけではなく、もう自衛するしかないことですので、まずは自分の感染対策を徹底的にですね!
さて、そんなコロナの心配が続く中ではありますが、先日ご契約した死後事務委任契約の事例が今後は増えてくるかもしれないと考えてちょっとご紹介をしておこうかと思います。
一般的に死後事務委任契約というと、「身寄りの無い方が信頼できる第三者に自分の死後の手続きをあらかじめ委任しておく」というイメージです。
そうした場合にすぐに思いつくのが、「単身者」「独身者」「おひとり様」といった、おひとり暮らしをされており、身近な親族が近くにいないといった方々かと思われます。
しかし、実際の死後事務委任契約では、「天涯孤独」という方は稀で、親族はいるけれど疎遠だったり、仲が悪かったり、音信不通だったりと、事情は様々ですが本来死後事務を執り行うべき方がいるけれど、頼りにすることができないので、第三者に死後事務を託すというケースが多くあります。
さらに今回ご紹介するのが、ご夫婦で死後事務委任契約を結んでおくケースです。
ご夫婦で死後事務委任契約を結んでおくと聞くと、夫婦の一方がもう一方の死後事務委任を行うようにも聞こえますが、実際には夫婦がそれぞれ、第三者と死後事務委任契約を結ぶということです。
少し分かり辛いと思いますので、下の図を参照してください。
上の図のように、まずは夫婦で死後事務委任契約をそれぞれ、信頼する第三者と結びます。
その後、ご主人様が亡くなったとすると、いまだ奥さんはご健在ですのでわざわざ第三者が手続きを行わなくても、奥さんが葬儀の手配やその後の手続きご自身の判断で行うことが可能です。
その奥さんも亡くなった場合には、死後事務を行うご親戚等がいないということで、ここではじめて最初に結んだ死後事務委任契約が効力を発揮して、信頼する第三者が死後事務に着手するという流れです。
上のようなケースはどういった場合に利用するのか?
例えば、夫婦ふたりで生活されているけれどお子様もなく、死後事務を託せるような親戚もいないといったような場合です。
なぜ、夫婦ふたりが揃って死後事務委任契約を結ぶのか?
夫婦ふたりで生活している段階では、片方が亡くなっても、生存配偶者にて死後の手続きは可能です。だったら、配偶者が亡くなった段階で死後事務委任契約を結べは、契約するのは1契約だけで、費用も抑えられるんじゃないの?という疑問が出てきます。
もちろん、その通りなのですが、わざわざ夫婦ふたりが事前に死後事務委任契約を結んでおくには訳があります。例えば、配偶者が亡くなった段階で生存配偶者が新たな契約を結べる状況とは限らないということ。
つまり、片方の配偶者が亡くなった段階で死後事務委任契約を結ぼうと考えていたとしても、その段階では生存配偶者も認知症等で新たに契約を結ぶことができる状況ではなくなってしまっていることもあるということです。
昨今は平均寿命も延びて元気な高齢者も沢山いらっしゃいますが、将来の事はやはりわかりません。ですので、万が一に備えて元気なうちに死後事務委任契約を夫婦がそれぞれ結んでおき、例え配偶者が亡くなった段階で認知症等で自分の意思能力が無くなってしまっていたような場合でも安心して過ごせるように準備しておくということですね。
どういった契約形態になるの?
先にも述べた通り、夫婦ふたりでまずは死後事務委任契約を結んで頂き、どちらが先に亡くなっても大丈夫な状況を準備します。
その際に、死後事務委任契約書に、生存配偶者にて死後事務が執り行える場合は先に亡くなった方の死後事務委任契約は無効となる文言を入れておきます。
そうすることによって、先に亡くなった方の死後事務委任契約書は無効となりますので、作成費用等は無駄になってしまいますが、故人と第三者の間で結んだ死後事務委任契約書は効力を発揮せず、生存配偶者の判断で葬儀などを実施することができ、また、契約をたてに第三者が無理やり死後事務を執行するといったことも防ぐことができます。(当然第三者に報酬等を支払う必要もありません)
無効になる死後事務委任契約はあくまで、故人と第三者で結んだ死後事務委任契約ですので、生存配偶者の死後事務委任契約まで無効になるわけではありません。
ですので、その後、生存配偶者が亡くなった段階では依然として有効な死後事務委任契約書となりますので、最後に亡くなった方の死後事務委任契約は信頼する第三者の手によって問題なく執行してもらえるということになります。
少し迂遠な方法にも思えますが、夫婦そろって80歳を超えるような高齢のご夫婦のような場合では、どちらが先に亡くなるかわからないし、ひとりになってからでは対策を考えられるほど、元気ではないかもしれないといった心配があります。
そうした場合には保険という意味でもこうした方法を元気なうちに準備しておくというのも有効な選択肢のひとつとなり得ます。長生きできる社会になったからこそ必要となる備えかもしれませんね。
死後事務に関するご相談は死後事務支援協会までどうぞ~。
2021.03.24
アサヒサンクリーン様にて遺品整理・死後事務の勉強会講師を務めてまいりました。
おはようございます。一般社団法人死後事務支援協会代表の谷です。
春爛漫といった感じで桜が咲き誇っていますね。いまだコロナの終息はみえておりませんが、日本人としては桜をみると気分が癒されます。来年はマスクなしで花見ができると最高ですね!
さてさて、コロナ禍ということもあり最近はセミナーや勉強会なども自粛につぐ自粛でしたが、名古屋では緊急事態宣言も解除されて、ぼちぼちと各所で勉強会などが開催されはじめています。
私も先日久々に講師を務めてまいりました。今回は訪問入浴・訪問介護で人気のアサヒサンクリーン様にお呼び頂き、ケアマネージャ向けの遺品整理と死後事務委任契約についての勉強会の講師となります。
当初は愛知県のケアマネージャだけで勉強会を実施する予定でしたが、コロナ禍ということもあり、ZOOMで勉強会を実施することになりました。
普段は皆さんの顔を見ながら話していますので、ZOOMで講師を務めるというのは初めての経験です。大勢の人の前で話すのはそれはそれで緊張しますから、ZOOMもありかな?と思い資料作成をして下書きを担当の方にお渡ししたところ、何故か愛知県以外のケアマネさんも参加する全国研修に、、、、。
なんでも下書きを責任者の方に確認してもらったところ、せっかくZOOMで行うなら他の地域の方にも見てもらおうという事になったようです。(緊張で私のガラスのハートがピンチです。。。。)
とはいえ、せっかくZOOMという便利なシステムもあることですし、私自身の負担は何も変わりませんので喜んでZOOMでの勉強会を実施させて頂きました。
勉強会の内容としては主に下記のような内容となります。
・遺品整理の際の注意点と遺品整理業界で問題になっている事柄などの裏話し的な話し。
・おひとり様問題に強い効果を発揮する死後事務委任契約の概要と実際の事例を通した死後事務委任契約の運用方法について。
このブログでも度々書かせて頂いていますが、遺品整理業界は遺品整理を始めるだけならなんら資格のいらない誰でも始めることができる仕事の反面、そうした参入障壁の低さからトラブルも多発しています。
今回の勉強会では、そうしたトラブルが起きる原因や実際の事例、また遺品整理を行う際の注意点などを私の経験した内容を基にお話しさせて頂きました。
また、後半では、単身者が増加するなかで問題になってくる死後の事務手続き問題とそれを解決する死後事務委任契約の概要の説明と死後事務委任契約の契約から執行までの流れを実際の事例をもとに説明させて頂きました。
なにぶん人前で話すのが苦手な性分なため、聞きづらい部分もあったかと思いますが、今回の勉強会を通してケアマネージャさん達の何か参考になる部分があったら嬉しい限りです。
最後は勉強会に参加された方々記念撮影をして本日の勉強会は終了です。お疲れ様でした~。
2021.01.31
愛知の身元保証を行うNPO法人の敗訴判決について
おはようございます。名古屋の死後事務支援協会代表の谷です。来週は立春ですね!寒いのが苦手な私としては春が待ち遠しい限りです。暖かくなるまでもう少しの辛抱です。コロナも含めて風邪などひかないように注意していきましょうね。
さてさて、昨日ネットのニュースを見ていたらこんなニュースが目に入りました。
「死後全額贈与の契約無効 身元保証の愛知のNPO敗訴」(日本経済新聞)
愛知県の安城市にて活動をしている身元保証を行っているNPO団体が、利用者との間で結んでいた死後に不動産を除く全財産を全額贈与するという契約を裁判所が公序良俗違反であるとして、全額贈与するとした契約は無効としたというものです。
また、判決の中ではNPO団体と市や社会福祉協議会との癒着の構造も認定しており、身元保証関連のトラブルにおいてもなかなかに根深い問題を含んでいるような内容にも見えます。
判決理由の中では「契約は不必要で内容も不明確。死後事務処理の費用は50万円ほどなのに、預金全額を受け取るというのは対価性を欠き、暴利と言わざるを得ない」とかなり強い口調で批判しています。
よっぽど、NPO団体側にて不正が行われたと思わせる事情があったのかと推察されますが、私的自治や契約自由の原則があるなかでここまで強く裁判所が批判するというのは珍しいのではないでしょうか。
ただ、死後事務支援協会においても、死後事務委任契約を通して身元保証を行うこともありますので、他人事ではありません。
もちろん、今回の事件のような契約内容が不分明で暴利をむさぼっているなどと言われるようなことは行っておりませんが、死後事務委任契約の特性上どうしてもトラブルが起きた時点では依頼者であるご本人は亡くなっていることとなり、本人の意思を再度確認するということはできません。
ですので、説明責任の重要性と契約の透明性の確保はなによりも大事と強く思い知らされるニュースでもありました。人の振り見て我が振り直せではありませんが、今一度注意喚起をするとともにご利用者の方にご満足いただける死後事務支援を行ってまいりたいと思います。
ご自分の死後の葬儀や遺品整理、各種手続きにて不安をお持ちの場合は死後事務支援協会までお気軽にご相談くださいね。
2021.01.20
死後事務委任契約からの不動産管理、売却までのお話し
おはようございます。名古屋の死後事務支援協会代表の谷です。
緊急事態宣言が発令されていますが、コロナは終息の気配が見えませんね。感染者の増加に伴い入院やホテル等の療養施設への入所も難しいようですので、やはり一番の対策は「自分がコロナに感染しないこと」これに限りますね。皆さんもうひと踏ん張り頑張りましょう!
さてさて、今回は死後事務委任とそれに伴う不動産売却についてのお話しです。死後事務委任契約を結ばれる方の多くが基本的には全ての死後の手続きをご依頼されることになります。
もちろん、死後事務委任契約を結ぶからといって1から10まで全てを依頼しないといけないわけではありません。死後事務委任契約は委任契約ですので、依頼者と受任者で話し合って必要とする内容だけ依頼すればいい契約です。
しかしながら、死後事務委任契約を依頼される方の多くが、死後の手続きをしてくれる親族がいない、親族がいたとしても疎遠な関係、親族とは仲はいいけど遠方に住んでいるので迷惑をかけたくないなどの事情を抱えていらっしゃいます。
ですので、死後事務の依頼内容は遺体の引取りから、葬儀、納骨、未払いの治療費や家賃、公共料金の支払い、役場への届け出、遺品整理と基本的な内容は全て依頼した上で、後はご依頼者の個別の希望で、ペットの引取り先や山や海への散骨、菩提寺や福祉団体への寄付といった追加の内容を行っていくことになります。
そうした依頼の中でも比較的多くなるのがご自宅の売却です。賃貸物件でしたら遺品整理と原状回復を行った上で貸主と退去立ち合いを行って返却すれば完了となりますが、持ち家の戸建てやマンションとなるとすぐには解決できません。
もちろん、生前から自分が亡くなった後に不動産を相続させる相手が決まっているのでしたら、遺言執行者として遺言執行の一環としてサクサクと名義変更を行っていきます。
しかし、清算型遺言のように、自分の財産を全て売却した上で負債を全て支払い、残った財産を希望する先へと寄付したいといった要望の場合は、まずは買主を探さないといけないことになりますのでやはり時間はかかることとなります。
今回は死後事務委任契約のご依頼者が生前住んでいたご自宅のマンションを依頼者の相続人へと相続させる遺言であり、私が遺言執行者として指定されていましたので、相続人への名義変更は滞りなく完了しました。(実際に名義変更を行ったのは司法書士の先生ですが)
その後、全ての死後事務が完了して報告資料一式を持参して他県にお住まいの相続人のもとへ伺ったところ、相続した不動産を売却したいということとなり、また売却が終わるまでの間のマンション管理もお願いしたいとのことでした。もちろん大丈夫です!
不動産の売却については不動産会社に依頼をして、売却までの不動産の管理をこちらで行っていくことになります。
とは言っても、室内は既に死後事務の一環として既に遺品整理は終わっていますので、定期的な空気の入れ替えや、マンションですので定時総会や各戸の水道の高圧洗浄、火災報知器の点検といった立ち合いの必要な作業への協力、そして管理費、共益費、修繕積立金といった費用の支払いが主な内容となります。
管理内容としては複雑な物はありませんが、遠方にお住まいのご家族が行おうと思うとどうしても長距離の移動や交通費の問題もありますし、ご依頼頂いた時はちょうど1回目の緊急事態宣言が出るかどうかという時分で県を跨いでの移動という問題もありましたので、ご依頼頂くことで負担を軽減できたかと思います。
ご依頼頂いた後の管理と売却については、立地は名古屋でも非常に良い場所であり、繁華街に近い割にはお寺の傍で静かな環境、内装も数年前に入居する際に大きくリフォームしたばかりでしたので非常に綺麗な状況です。
普段ならすぐに買い手もみつかりそうな状況ではあったのですが、コロナ禍ということも影響したのか内見も少なく出だしはあまり良くなかった印象です。
ただ、そこは頼りになる不動産会社が独自のルートで買い手を探してくださり、当初予想していた金額よりもかなりの高額での売却が決まりました。これには依頼者である相続人の方にも喜んで頂けてこちらとしても一安心です。
そして昨日、最後の水道代の支払いを終え、管理業務も終わりとなり、お預かりしていた管理費用も相続人の方へとご返却してすべての業務が完了となりました。
死後事務のご依頼者が亡くなったのが昨年の1月ですので、不動産売却まで含めれば死後事務に着手してからちょうど1年掛かったことになります。ご依頼頂いた死後事務の内容自体は4ヶ月ほどで完了していましたが、不動産の売却が入ってくるとやはり長期間の業務になりますよね。
つくづく死後事務委任のお仕事はひとりでは遂行できず、今回お手伝い頂いた司法書士や不動産会社をはじめ、税理士や弁護士の先生、その他専門家の皆様といったチームでの遂行が欠かせない業務と実感するところです。
死後事務委任契約は、ご依頼者が亡くなった後に実行する契約ですのでご依頼者の希望通りに手続きを進めていくこと、また相続人はもちろんご近所の方やお世話になった病院、介護施設の方々へ迷惑をかけないようにしなければいけません。
今回もご依頼者の死後事務を無事終えることができ、相続人の方にも喜んでもらえたことで故人の想いを叶えることができたのかなと安堵しております。
死後事務委任契約のご相談でしたらいつでもお気軽にご相談くださいね。
2021.01.01
あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます!
令和も3年目となり、平成から変わった当時はよく書き間違えましたがさすがに書き慣れてきましたね。昨年はコロナで終わったような一年ではありましたが、今年はオリンピックが開催できるくらいに終息そしてアフターコロナでの経済の復活を期待したいものです。
死後事務支援協会では今年は新規のサービスとして短期身元保証を開始し、入院や手術の際の身元保証で困っている方や成年後見人としてこれまで仕方なく身元保証にサインしてきた士業の先生方のお力になれればと考えております。
本年も死後事務支援協会をよろしくお願いいたします。
2020.12.30
来年も良き年になることを願って
おはようございます。名古屋の死後事務支援協会代表の谷です。
あっという間に年末になりましたね。毎年恒例の今年の漢字は「密」になったみたいですが、私は絶対に感染の「染」になると思っていただけに、世間との考えのギャップに愕然としました。「染」はランキングにも入っていなかったような、、、、。
ともあれ、今年はなんとか自分や周りの人にコロナに罹った人はおらずほっと胸をなでおろしているところではあります。しかしながら感染者自体は依然として増加しているわけであり、医療従事者の方々には頭の下がる思いです。本当にありがとうございます。
医療従事者の方々への負担を減らす一番の方法は、まずは自分がコロナに罹らないことですよね。自分がコロナに罹らなければ、当然他の人へ感染を広げることもありません。そうすることで結果的にコロナ患者が減っていくことで医療従事者の方々への負担も減らせることになります。
年末年始でお酒も入り気が緩むのも仕方のないことではありますが、今一度自分の身の回りから感染対策を徹底していきましょうね。
さてさて、今年も残すところ後わずかとなりました。今年は元旦の早朝から死後事務のご依頼を頂いている方が危ないという連絡を入所されている施設より頂き、夕方に様子を確認にいった後の夜間にお亡くなりになりました。
正月ということもあり、火葬場の手配など心配しましたが、葬儀業者さんの手助けもあり無事お送りすることができました。
また、その方の死後事務が大方片付いた頃には別の死後事務をご依頼頂いている方との連絡が取れなくなり、安否確認で様子を確認しに伺ってみると回覧板が複数溜まっているなど不審な点があったことから、急遽消防や警察へと連絡して室内を確認してもらったところご遺体を発見することになりました。
心臓の持病を心配されて死後事務に関するご依頼を頂いてはいましたが、まだまだ60代というお若い方でもありましたので、残念でなりません。
依頼者の方とはよく喫茶店でコーヒを飲みながら世間話や仕事に関しての話しをお互いにするなどとても良くして頂いていたので、その方のご自宅の近くを通る度につい癖でお茶でも誘ってみようかという思いが今でも沸いてきます。
私が遺体を発見する端緒とはなりましたが、実際にご遺体を発見したのは消防の方でもあるので形式的には「孤立死」という形になります。ですので、その後に事件性の確認などで鑑識の方がご自宅を調査しご遺体は警察にてまず回収されていきました。
ご遺体発見時に死後事務受任者であることを伝えてはありましが、警察としてもまずはご家族や親族へと確認した上でないと遺体を死後事務受任者に引渡しができないということで、ご遺体の発見から2週間ほど経ってからではありますが無事、事前にご指定頂いていました葬儀業者にて葬儀をあげてご遺骨は菩提寺へと納めることができました。
今年はお二人の方の死後事務ならびに遺言を執行することとなりましたが、新規の方との死後事務委任契約もありました。
コロナ禍でステイホームが叫ばれる中、高齢者に限らず持病を持った方々が家に引きこもっていたとしても「感染対策」と思われて異常に気付かれにくいということも起きています。
そうした結果、天涯孤独の方や親族と疎遠になっていたりと「死後事務委任」を必要とされているような方は、自分で積極的に外出したり、SNS等で発信したりしないと「自分は大丈夫です!」ということを周りに知ってもらう方法がありません。
ただ、高齢者の方は体調だったり、SNSの使い方がわからなかったりと、誰でも気軽にとはいきませんよね。
ですので、私たちのような国家資格を有する士業が「成年後見」や「見守り契約」、「死後事務委任契約」といった制度を使用しつつ積極的に安否確認を行ったり、不安や困り事への相談に応じることには大きな意義があると考えています。
「もし自分に万が一のことがあったら、いったい誰が自分の葬儀や納骨をしてくれるのだろうか?」という、これまでは漠然としか考えてこなかった事柄がコロナ禍において現実的な身近な問題として認識されてきています。
「自分にもしもの事があったらどうなるの?」という疑問に対しての答えは、その方の生活状況や家族構成、そしてなにより、ご自身としては「どうありたいのか」という考え方によって千差万別となります。
ここで挙げている「死後事務委任契約」もそうした疑問に対する答えのひとつでしかありません。場合によっては、遺言や家族信託なども併せて考える必要があったり、生前に税務対策などを考えておかないと相続人への負担が大きくなってしまうという方も見えられるでしょう。
今年のまとめとして思うところは、死後事務委任契約を結ばれていた方は手続きが非常にスムーズであり、やはり生前にどれだけ準備していたかで、家族や遺族へ掛かる負担を大きく減らすことができるようになるということです。
特に自分の死後の手続き(葬儀や納骨、遺品整理など)を疎遠な親族が行うと予想されるようなケースでは重要となります。
こうした疎遠な関係の場合は、自分にもしもの事があったとしても、本来葬儀などの死後の手続きをするはずだった親族が「相続放棄」をしてしまうことも考えられます。
実際に遺品整理の相談を受けている中でも「疎遠な叔父(叔母)が亡くなったのですが、遺品整理は私たちがやらないといけないのでしょうか?」というご相談を良く頂きます。
同じような相談でも「何十年もあってないので関わり合いたくない」「なんとかしてあげたいが先立つものがない」「賃貸物件で亡くなったので、大家さんから賠償請求が怖い」と抱えている事情は様々です。
いずれにしても、こうした疎遠な親族の場合はある日突然警察や役所より「○○さんが亡くなったので遺体の引取りをお願いします」と突然連絡が入ることとなりますので、まさに寝耳に水状態となり大変混乱することとなります。
こうした状況での相談者の中には「なんで私がこんな苦労をしないといけないのでしょうか!(怒))」と、憤懣やるかたないといった様子の方もいらっしゃいます。
そうした場合は専門家としては「相続放棄」という手段について説明することになりますが、親族が相続放棄をしてしまうと、今度は病院や施設、賃貸物件の大家さんなどが、未払いの医療費や施設利用料、未納家賃や遺品整理などで誰も支払いや片付けをしてくれないと困ることとなってしまいます。
こうした問題を解決する方法のひとつが「遺言」だったり「死後事務委任」であります。たとえ親しい家族がいなかったとしても、信頼できる第三者に事前に依頼しておくことで、自分の希望する通りに葬儀や納骨(散骨)を行い、その他の遺品整理や未払いの医療費や家賃などの支払いも専門家に依頼しておくことが可能となります。
そうすることで、仲の良い家族では死後の手続きで掛かる負担を減らすこともできますし、疎遠な親族しかいない場合は、一切の手続きを専門家に任せてしまい疎遠だった親族には迷惑を掛けないように準備しておくことができます。
こうした事前の準備はなかなか自分だけでは考えがまとまらないものですので、気になることがあればいつでもご相談ください。
死後事務支援協会は令和三年も死後事務や短期身元保証を中心として、おひとり暮らしの高齢者のサポートを頑張ってまいります。
最後となりましたが、今年一年誠にありごとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 死後事務支援協会 代表理事 谷 茂
2020.08.21
ダイヤモンドZAI10月号にて掲載
おはうようございます。死後事務支援協会代表の谷です。先日、孤独死に関連して、遺品整理や相続放棄、そしておひとり様の事前対策として死後事務に関する取材を受けました。
その際の内容を基に本日(令和2年8月21日)発売の「ダイヤモンドZAI10月号」にて、漫画となって紹介されております。
取材は私の個人事務所の「第八行政書士事務所」にて行いましたので、死後事務支援協会とはなっておりませんが、せっかくですのでこちらでもご紹介させて頂くことといたしました。
以下、私の事務所での情報発信となる「第八ブログ」の内容を転記させて頂いております。
名古屋は連日の猛暑日でまさに溶けそうな暑さです。日中の太陽熱が建物に蓄積されているのか、夜になっても暑いままでエアコンの効きが悪く感じます。
ニュースを見ていると毎日たくさんの方が熱中症で救急搬送されています。今は、コロナウイルスの関係で病院側の受け入れも熱がある場合はコロナも疑って掛からないといけないとあって、例年なら助けられた命が助けられないなんてことも起きているようです。
コロナウイルスは目に見えなくて防ぐのも難しいですが、熱中症は自分で十分対策が可能です。
コロナで大変な医療従事者の方々を手助けする意味でも、熱中症対策はしっかりとして、病院の負担を軽くして、ひとりでも多くの方が適切な治療を受けられる環境をみんなで作っていきましょう!
さてさて、そうは言っても賃貸物件で発生する孤独死は年々増加する一方です。夏の熱中症、冬のヒートショックが、孤独死の大きな原因となっていますが、これからは一年中コロナウイルスでの孤独死の危険も考えなくてはならないかもしれません。
孤独死と聞くとごく限られた範囲での出来事のように考えていらっしゃる方も多いかと思われます。確かに、大家や管理会社、そして遺族の方々と孤独死で影響を受ける方はごく限られた範囲であったともいえるかもしれません。
でも、このブログを読んでいる方の中にも独り暮らしという方も多いかと思われます。今はは若くても、10年、20年先に独り暮らしになんの不安も抱えずに生活できているでしょうか?
また、あなた自身はご家族やお子さんに恵まれて孤独死とは無縁の生活を送られているかもしれませんが、兄妹やご親戚、場合によっては叔父や叔母さんまでは、相続の対象となってきますので、自分は全く心配ないと思っていても、予想外な親族の相続人としてこの問題に直面するかもしれません。
今は他人事でも将来的には誰もが直面するかもしれない問題というのが、「孤独死」という問題でもあります。
今回はそんな、誰もが遭遇するかもしれない「孤独死」の問題について、ダイヤモンドZAI様の紙面にて「ただでは死ねない孤独死のその後は?」という題名で漫画形式でご紹介させて頂く機会を得ることになりました。
過去にいろいろと取材を受けたことはありますが、漫画になったのは初めてです(笑)イラストになるとちょっと老けて50代くらいに見えますが実物はもうちょっと若いですよ!(多分)
コロナ禍ということもあり、取材はネットでのZOOMを使用しての、担当者、漫画家、私の三者会議での形式で行いました。
ZAIの担当者の方の質問に答えて、過去の事案や実際の現場での対応の方法などをご紹介させて頂くという形で取材は進んでいきましたが、その時点では孤独死や相続の話しはもちろん、実際の遺族や家主の対応、判例上の考えなど専門的な内容についても多岐に渡って話しをしていましたので、漫画がどのような内容になるのかはわかっていませんでした。
その後に、粗ラフがメールで送られてきて、文言の修正やコメントの追加などいくつかお願いして出来上がったのが今回の漫画となっています。
漫画は7ページとかなりページ数に制限がありますので、微に入り細に入りとまではいきませんでしたが、孤独死の現場で起きる問題と相続放棄、おひとり様の対策としての死後事務について紹介する内容となっています。
ストーリーとしても、編集部の方の叔父が孤独死して、、、、という、遺品整理の現場では非常に多くある状況から始まり、専門家への相談、孤独死でおきる問題、相続人として出来る事、もし自分に万一の事があった場合に事前に準備できることとは?という形の流れとなっており読みやすくなっていると思います。
ご興味のある方は是非ご一読くださいね!編集部の回し者ではありませんが、せっかくですので、掲載誌面の紹介と購入先(アマゾン)のリンクを下記に載せておきますので、よければご利用ください。
まだまだ暑い日が続きますが、漫画の内容みたく家族を困らせないように体調管理には気をつけてお過ごしくださいね!
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ダイヤモンドZAI 10月号
2020.06.26
介護事業者向け死後事務支援研修
おはようございます。死後事務支援協会代表の谷です。6月も終わりが見えてきて夏本番が近づいてきていますね。この時期は高齢者の方の熱中症による体調不良や最悪の場合は孤独死へと繋がってしまうケースもありますので十分にご注意ください。
さて、先日私が所属する相続専門の「安心相続専門チーム協議会」にて、介護事業所様よりご依頼を頂き勉強会を行ってまいりました。内容としては、空き家問題と第三者へ死後事務を依頼するには?の二本立てで、セミナー終了後は参加者全員での発表と質疑応答という形です。
どちらかといういうと、普段なかなか専門家には聞けないことを質疑応答で答える部分がメインとも言え、セミナー自体は各30分ほどのミニ講座という形です。私としては、この短い持ち時間で何をどれだけ伝えたらいいのかと、情報の選択に非常に悩むところでしたが、今回は一般の方がまず目にすることはないだろう「公正証書遺言」や「死後事務委任契約書」の実物を見てもらいながら、そしてそれらを作成するのかかる実際の費用などをご紹介させて頂きました。
前半の空き家問題にも関わってきますが、高齢者の方の死後事務を誰が担うのかという問題が今後増加してきます。何も対策をせずに、お一人暮らしの方が亡くなってしまうと、故人が所有していた住居は空き家として誰にも管理されずに朽ちていってしまい、最終的には火事や倒壊といった問題を引き起こして近隣へと多大な迷惑をかけてしまうことになります。
こうした問題は、事前に遺言書や死後事務委任契約書などを活用することで、自分が死んだ後でもあっても信頼する第三者の方へ自分の希望通りの方法で財産の処分や管理をお願いすることができますので、こうした方法があるのだということを少しでも知って頂けたらと思います。
自分の死後、これってどうなるんだろう?と疑問に思うことがあればいつでもご相談くださいね。
2020.06.02
死後事務と死体検案書の話し
おはようございます。死後事務支援協会代表の谷です。
毎朝毎朝、コロナ、コロナのニュースばかりでうんざりしますね。やっとこ緊急事態宣言も解除されたと思いきや九州では小学校でクラスター発生となかなかいっきに解決までいってくれません。やはり、特効薬が出来るまでは安心できそうにないですね。
さてさて、本日はちょっと死後事務に関するこぼれ話し的なことを書いてみようかと思います。それは「死体検案書」のお話し。
葬儀の喪主等をされた事がある方はおわかりかと思いますが、日本では誰かが無くなると「死亡届」を役場に提出しますよね。
ただ、この「死亡届」は死亡届だけではなく、下の画像のように「死亡診断書」も兼ねたA3サイズの用紙となっています。
(左が死亡届で右が死亡診断書)
そして、画像右側の死亡診断書にはカッコ書きで(死体検案書)とも記載されているのにお気づきでしょうか。
死亡診断書と死体検案書ってどう使い分けるの?と思われる方もいるかもしれませんが、死亡届はご家族が記入することになりますが、「死亡診断書」や「死体検案書」はお医者さんにて記入するものですので、あまり深く考なくても問題ありません。
それでも知りたいという方向けに一般的な内容として、
※ 医師は、「自らの診療管理下にある患者が、生前に診療していた傷病に関連して死亡し たと認める場合」には「死亡診断書」を、それ以外の場合には「死体検案書」を交付してくだい。(厚生労働省死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルより抜粋)
となっています。
つまり、ガン患者のように入院していたり、自宅治療でお医者さんの訪問治療を受けているなど、お医者さん自身が管理している方が亡くなった場合などは「死亡診断書」となり。
そうではなくて、孤独死や自殺のような状況で発見されて、これまでの経緯などが分からない方の死亡の場合は「死体検案書」をお医者さんは作成するということですね。
へー、そうなんだ~程度の知識で普段の生活には全く役にもたたないのですが、死後事務を今後取り扱われる方や孤独死、自殺といった状況で遺体が発見されたご家族の方にはちょっとだけ注意が必要な点があります。
それは、死体検案書を作成して発行してもらうには結構な費用が掛かるということです。一般的に「死亡診断書」の場合は入院費用などと一緒に支払っているので、あまりそれ単体では気にはしないかもしれませんが、だいたい3,000円~10,000円位かと思われます。
しかし、死体検案書の場合は一般的に30,000円~70,000円、高いところでは10万円も掛かるなんてケースもあるようです。(自治体によっては無料になっているところもあり)
私も、先日私自身でご遺体を発見したケースで警察に故人の貴重品を受取にいった際に警察の方から「死体検案書を受け取ったら写しを警察署にもってきて欲しい」と言われて指定の病院へ死体検案書を受取にいきました。
私も死体検案書を受取に行くのは初めてでしたので、警察の方に「指定の病院へ行けば発行してもらえるのでしょうか?」と確認すると。
警察の方から事前に連絡して伺えば死体検案書は渡してくれるよう手配しておくと言われたのですが、「ただ、結構高額な費用がかかります」とも言われました。
病院で書類の発行をお願いすれば費用が掛かるのは当たりまですよね。でも警察の方がわざわざ「高額」という位ですから、念のため「おいくらくらいなのでしょう?」と聞いてみると。
「前回、別の方で発行してもらった時は4万円前後だったかと、、、、」、え!?高っ!
死体検案書ってそんなにするの!?と正直びっくりしました。だって、その検案書を出してもらう病院は別にこちらで選んでいる訳でもなく、警察が地域のお医者さんに検死を依頼しているわけで、ご家族はその点においてはノータッチのはずです。
なのに、いざ連絡を受けて遺体を引き取ろうとしたら死体検案書を病院で決めている金額で支払ってね。というのは、家族側では勝手に進んでいる話しで費用まで事前に承諾のないまま進んでいるということになります。
でも、死体検案書はそこのお医者さんで既に作成されているわけで、そんな高い費用は払いたくない!と言うわけにもいかず、遺体を引き取る段階では黙って支払うしかないという状況なわけです。(一部の自治体で検案書が無料になっているのはこうした問題があるからなのでしょうね)
とは言え、死体検案書がなければ死亡届も出せませんので死後事務受任者としては黙って支払うしかないのですが、なんかもやもやする部分ではありますね。
独居の高齢者が増えるなか、自宅で孤独死という方は今後もますます増加すると思われます。ただでさえ無縁社会と呼ばれて希薄な親族関係により「相続放棄」が増加しているなか、こうした予想外の金銭的支出が出てくると、誰も遺体を引取ってくれなくなってしまうのではとちょっと心配になりますね。
今回は死後事務にまつわる「死体検案書」についてのこぼれ話しでした。
相続、遺品整理、死後事務のご相談は死後事務支援協会までお気軽にどうぞ~。